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ナカムラテツオのヒトリゴト


by fullnelson65
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僕は怖くない

僕は怖くない_c0042451_19381670.jpg
昨日、イタリア映画「僕は怖くない」を観た。。。というか、すごい怖かったよ、この映画。
一緒に観ていたウチの奥さんは、ずっと「怖いよー、夢に見るよ」と顔を歪めてました。

物語はイタリア南部の片田舎。
見渡す限り、黄金色の麦畑と青い空。
わずか数家族の集落。
集落の一人の子供が、廃墟の片隅に掘られた穴の中で、
監禁されている男の子を見つけてしまう。
どうやら集落の大人たちが関係していることがわかるが、何も言う事ができず、
次第に監禁されている男の子と友好を深めていく。。。

話の展開もとても上手く、引き込まれるが、それよりも何よりも、
監禁されている男の子の状況と心情が痛い。
暗い穴の中に鎖でつながれて、目も開けられなくなり、
自分はもう死んだものと思い込んでいる。
例え誰かに助けられたとしても、一生その傷は癒えないんだろうな。
想像するだけで、胃のあたりがキリキリする。
穴の外側の壮大な自然や主人公の男の子との親交が深まるほど、
そのどうにもできない状況との対比が際立ち、恐ろしい。
そういう手法はイタリア映画の伝統なんでしょうか?
恐怖映画の大御所、ダリオアンジェルトなんかも美しい映像と、
どうにもできない状況の対比とか昔からやっていますが。

この映画、子供の勇気や友情物語という側面で語られることが多いみたいですが、
こりゃ立派な恐怖映画です。
by fullnelson65 | 2005-02-05 16:05 | 映画