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ナカムラテツオのヒトリゴト


by fullnelson65
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冬の移住地


昨日は、「映画における植民地主義」、と題して、
4本の映画を上映。

その中の一本に満州への入植者を募る、プロパガンダ映画があった。
植民地政策というと、真っ先にフランス、イギリスを思い浮かべるが、
日本もやってたんだよなぁ、と改めて思い出した。

その内容は、かなり痛い感じで、
よくこれを観て、行く気になるなぁ、というもの。
新天地で一旗上げるぞと、野心満々で乗り込んで行ったのだろうか?

  「冬は相当、気温が下がるが、三日に一日の寒い日は、屋内で作業すればよい。」
  「部屋の中は暖房完備で、日本より暖かい」
  「防寒服を着れば、外でも快適に作業できるので、安心」

等、気温とその対処方に関して、かなり細かく説明。
かなりの寒さが、容易に想像できる。
雪は殆ど降らず、気温だけが低いらしい。
雪でも降ってくれたほうが、まだ諦めも着くと思うのだが。。。
極寒の中、笑顔を絶やさず、農作業する人々。
どうみても、強制収容所にしか見えない。

終始、大笑いしながら見ていたのだが、
そろそろ終わるな、と言う所、
集落の人たちの、笑顔のアップが続き、突然、大写しで、

「満州へ行け!」

「祖国のために!」

とテロップが。。。。

 我に帰り、ゾッとした。

製作者側も、この映画を観ていた人たちも、
命がけだったのだと、最後の言葉で気が付いた。

結局その後、入植者は思うように増えず、
一説にはヨーロッパのユダヤ人を引っ張ってこようとした、
「河豚計画」なるものもあったらしい。
太平洋戦争に突入したことで、実現されなかった訳だが、
満州国がイスラエルになっていたかもって事か?
それはそれで、すごいよなぁ。
実現していたら、その後の世界の勢力地図も
変わっていただろうなぁ。
by fullnelson65 | 2006-02-19 11:50 | 映画